大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、平幕貴ノ岩(27=貴乃花)に暴行した問題で、鳥取県警が年内にも、傷害容疑で書類送検する方針を固めたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。県警は日馬富士が、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことなどから、逮捕はせず捜査を進める判断をしたもよう。

<過去の横綱トラブル>

 ◆前田山(39代) 49年10月の大阪場所を休場中、来日中の米プロ野球3Aサンフランシスコ・シールズの試合を観戦。監督と握手する写真が新聞に出て批判された。協会は引退勧告。責任を取り引退。

 ◆柏戸(47代)大鵬(48代) 65年5月、前頭3枚目の北の富士らとともに巡業先の米国から拳銃を密輸入していたことが発覚し、書類送検。ただ、協会からはけん責処分にとどまった。

 ▼北の富士(52代) 72年夏場所9日目から「不眠症」を理由に休場。米ハワイに飛び、サーフィンを楽しむ姿が観光客のカメラに収められた。写真は地元新聞に掲載されて、協会から厳重注意を受けた。

 ◆輪島(54代) 81年に引退して花籠部屋を継承。だが、85年に花籠の年寄名跡を担保に借金したことで、協会から廃業の裁定を下された。

 ◆双羽黒(60代) 87年12月27日、師匠の立浪親方ともめて部屋を飛び出し、後援者やおかみまで巻き込む騒動を起こした。立浪親方は「廃業届」を提出し、同31日に協会も決議。

 ◆朝青龍(68代) 10年初場所中に都内で泥酔して暴れ、警察が出動する騒ぎに。被害者は知人男性。暴行をめぐる供述は二転三転し、示談となったが、協会は引退を勧告。本人も引退届を提出した。警視庁が傷害の疑いで書類送検したが、起訴猶予となった。