大相撲の横綱日馬富士関による暴行問題で24日、日本相撲協会の危機管理委員会による調査が難航する気配が漂ってきた。協会関係者によると、危機管理委は23日に現場の酒席にいた横綱鶴竜関と関脇照ノ富士関から東京都内で事情聴取。だが暴行を受けた平幕貴ノ岩関側に応じる気配が全く見られない。

 協会は24日の午前中から慌ただしかった。日馬富士関の師匠、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が役員室に約20分間入り、八角理事長(元横綱北勝海)ら執行部と対応を協議したとみられる。

 午後には貴ノ岩関の師匠、貴乃花親方(元横綱)が2度にわたって役員室へ足を運んだが、滞在時間はいずれも3分程度。終了後は無言で引き揚げた。春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「何も言えないし、言わない」と説明を避けた。

 問題発覚当初に比べ、協会幹部は23日から一転して口を閉ざし始めた。貴ノ岩関の聴取への協力要請を断った貴乃花親方の真意をつかめないのも一因とみられ、関係者は「このままだったら貴ノ岩に話を聞かないまま、事実認定をしなければならない」と、処分案への影響や遅れの懸念も浮上してきた。