元横綱日馬富士関の暴行事件を調査する日本相撲協会危機管理委員会(高野利雄委員長=元名古屋高検検事長)が、20日の臨時理事会までに被害者の平幕貴ノ岩関を聴取することを断念したことが15日、危機管理委関係者の話で分かった。20日に予定していた調査の最終報告には間に合わず、年内の収束は極めて難しくなった。

 理事会では予定通り調査報告を行うが「最終報告」の文言を変更する可能性があるという。関係者は聴取について「こちら側がいくら言っても、来ない。もう無理だろう」と明言した。

 危機管理委は元日馬富士関が11日に書類送検されたことを受け、貴ノ岩関側へ聴取を要請。師匠の貴乃花親方(元横綱)は11月30日の理事会で、鳥取県警の捜査が終われば聴取に応じる意向を示していたが、関係者によると、鳥取地検の処分が出るまで協力しない旨を12月12日に協会に伝え、調査は難航している。

 相撲協会には15日も貴乃花親方から連絡はなかった。今後の調査要請の予定に対し、鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は「何もないよ」と厳しい見通しを示した。