平幕貴ノ岩(27=貴乃花)は一体どこにいるのだろうか? 大相撲の元横綱日馬富士関(33)から暴行を受けた貴ノ岩は現在、行方や病状が不明で、日本相撲協会も接触、情報収集を試みながら実現していない。貴乃花親方(元横綱)の代理で巡業部長を務める春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は16日、巡業先の沖縄コンベンションセンターで貴ノ岩に対して厳しい私見を述べた。

 元横綱日馬富士関から暴行を受けて冬巡業を休場している貴ノ岩に対して、ついに厳しい目が向けられた。春日野広報部長は、連日行われている朝稽古後の囲み取材で、険しい表情を見せた。貴ノ岩が診断書を提出せずに休場していることについて「職務放棄じゃないの」と吐き捨てるように言った。貴乃花親方や貴ノ岩への注意を含めた対応を検討するかと聞かれ、「それも1つ」と意向を示した。

 休場のためには診断書の提出が必要で、日本相撲協会危機管理委員会の鏡山部長(元関脇多賀竜)が再三、貴乃花部屋を訪れて提出を要請していた。「詳しくは分からないけど届いていないと聞いている。『ダメだった』と言われた」と報告を受けたという。協会は平日業務のため、冬巡業最終日の17日も相撲協会が受け取ることはできない。貴乃花親方に監督責任はあるが「休んだのは本人なんだから」と、貴ノ岩自身にも非があるとした。

 暴行問題がありながらも連日、大勢のファンが会場を訪れている。しかし、診断書未提出の休場力士がいながら巡業が終わる異例の事態に、協会内ではピリピリムードが高まっている。春日野広報部長は4日の長崎・五島巡業で「義務だからね。今までにそんな例ないからね」と提出されると踏んでいた。しかし当ては外れ、前代未聞の異常事態となった。