日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で記者会見を開き、貴乃花親方(元横綱)への処分に至った経緯を説明した。その中の質疑応答で、同親方のコメントが掲載された週刊誌報道についても言及した。

 今週発売の週刊文春には「貴乃花激白」の文字が躍り、同じく週刊新潮にも「貴乃花が本誌に激白」「腹を割って全本音4時間!」と、貴乃花親方が取材に応じたとされる内容になっている。

 報道陣から「週刊新潮や週刊文春に貴乃花親方のコメントがあり、調査に関する内容もあったと認識しているが、調べているのでしょうか?」との質問が出ると、高野利雄危機管理委員長(元名古屋高検検事長)は次のように回答した。

 「貴乃花親方から聴取をした時に、協会に対する報告はない一方、貴乃花さんの意見だというようなことで、いろんな人が語っていました。ご本人がしゃべらないで、そういう人にしゃべらせるのはいかがなものか、という視点でお聞きしましたが、親方は『自分は一切、そういう人に話したことはないし、話すよう指示したこともない。週刊誌の取材を受けたこともない』という話しがありましたので、昨日の週刊誌に、貴乃花親方が自ら発言されたような主旨の記載がありましたので、委員会でのお話と違うのではないかと思いまして、あらためて確認しましたが『取材に応じたことはない』という風におっしゃっておられました」

 この日の臨時理事会では、貴乃花親方は「特にありません」と弁明は一切しなかったという。傷害事件の報告義務を怠ったとして、来年1月4日の臨時評議員会での協議を経て、同親方は現在の「理事」から2階級降格の「役員待遇委員」となる見通しだ。