大相撲の立行司、式守伊之助(58)が10代の若手行司へセクハラ行為をした問題で、所属する宮城野部屋の師匠の宮城野親方(60=元前頭竹葉山)が6日、謝罪した。都内の部屋で稽古後、集まった報道陣に「このたびは立行司の伊之助が指導する立場でありながら、不適切なことを起こしてしまいまして誠に申し訳ありませんでした」と頭を下げた。

 日本相撲協会は前日5日深夜にセクハラ行為を確認したと発表した。冬巡業最終日前夜の12月16日に沖縄・宜野湾市で夕食後、泡盛で泥酔した伊之助が、ホテルの部屋まで送ってもらった10代の若手行司に数回キスし、胸に1度触った。若手行司はショックを受けたが、すでに謝罪を受けており、処罰は求めず、警察に被害届を出す意向はない。

 協会は5日に幕内行司から報告を受け、ただちに高野危機管理委員長が本人から聴取し、事実関係を確認した。その際、伊之助は「覚えていない」「男色の趣味はないので、なぜこのような行為をしたのか分からない」などと話したという。

 伊之助と2歳違いで、旧知の仲という宮城野親方は「酒を飲むと、ちょっと正気を失うところがある」と、これまでも泥酔した姿を目撃したという。同部屋で伊之助を「大先輩」と表現した横綱白鵬は「そういう(男色)趣味はないと思う。でも酒は好きですからね」と困惑気味に話した。協会は近日中に臨時理事会を開き、処分を検討する。