大相撲初場所で6年ぶりの平幕優勝を果たした西前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)が29日、都内の所属部屋で一夜明け会見を行った。栃ノ心が座った後ろには優勝旗が置かれていて「うれしいですね」とにやり。「千秋楽終わって、月曜日でこんなに気持ちが良いのは初めてです。うれしいです」とあらためて喜びを語った。

 幕内では、自身最多の14勝で終えた初場所。思い出に残った一番を聞かれると「14日目ですよ」と、優勝が決まった平幕の松鳳山戦を挙げ「すごくうれしかった。2度と忘れない」と感慨にふけった。13年名古屋場所で重傷を負った右膝の調子も、昨年の九州場所頃から良くなってきたという。だから「今場所は勝てるだろうって、その気持ちでいた。まさか優勝するとは思わなかったけど」と自信はあったという。

 故郷ジョージアにいる家族とも、電話で喜びを分かち合った。「親とか奥さんとか親戚の人とか。『良かったな』って。泣きながらみんな」。特に愛妻ニノさんは「しゃべれないぐらい泣いていた。うれしかったです」と、感極まっていたという。

 春場所(3月11日初日、大阪エディオンアリーナ)では、三役返り咲きが確実。「来場所まで時間がだいぶありますから、稽古も(右膝の)リハビリも頑張ったら、来場所も結果が出るんじゃないですかね。(目標は大関かと問われ)頑張ります」と意気込んだ。