大相撲の横綱審議委員会(横審)の定例会が29日、東京・両国国技館で開かれ、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)が、5場所連続休場となった横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)の進退問題について言及した。北村委員長は「同じことが繰り返されるようなら、そこで考えないといけない」と、次に出場した場所で初場所と同じように途中休場した場合、さらにその次に出場する場所で進退が懸かる可能性を示唆した。

 さらに「15日間きちっと努めあげる自信、体力的、精神的にも『いける』という確信がなければ出てこなければいい。ここ数場所言っている」と指摘。「ファンが期待している力士だから、なんとかこの困難を克服して欲しい」と復活を期待した。

 4場所連続休場明けから、15日間土俵に上がった横綱鶴竜(32=井筒)には、叱咤(しった)激励した。「ここで駄目なら進退を懸ける場所だったけど、そこは乗り越えたんじゃないか」と評価。だが、後半戦で4連敗したことについては「最後は息切れで非常に心配していた。来場所以降はしっかりとした相撲を見せて欲しい」と、話した。

 途中休場した横綱白鵬(32=宮城野)については「休んだのはケガ。これはしょうがない。ぜひ治して、また戻ってきてもらいたい」と話した。昨年の横審で注意を受けた、張り手やかち上げを行わなかったことについては「横綱としてあるべき相撲の形、姿を考えていた。引き続きやってほしい」と、今後の継続に期待した。