平幕の宝富士(31)朝乃山(23)ら近大相撲部OB力士8人が25日、東大阪市の母校キャンパスを訪れ、後輩たちに稽古をつけた。同大は元大関朝潮(現高砂親方)元横綱旭富士(現伊勢ケ浜親方)らを輩出した名門で、今回の試みは「学生にとっていい経験になるはず」という伊東勝人監督(53)の発案で実現した。

 現役力士がまわしをつけ、後輩を指導するのは「20年以上ぶり」(同監督)という。朝乃山は16年の卒業で「楽しい。僕の相撲を鍛えてくれたのは、伊東監督ですから」と、昨秋の全日本学生個人2位で新主将の元林健司(3年)にぶつかりげいこで胸を出し、息が上がるまでかわいがった。09年卒業の宝富士も「思い出? あります。この稽古場の前が卓球部の練習場で、女子部員にかわいい子がいて…まあ、何もなかったですが」とジョークを交えて、学生時代を懐かしんだ。

 3月11日から、いよいよ春場所が始まる。同大OB力士は第2の故郷への凱旋(がいせん)だ。宝富士、朝乃山ともに「2ケタ(白星)にいきたいですね」と声をそろえていた。