大相撲の大関高安(田子ノ浦)が28日、28歳の誕生日を迎え、初優勝にかける思いを口にした。大阪市内の部屋で若い衆らを相手に申し合いなどを行った後、サプライズで「目指せ初優勝」とメッセージの入ったケーキをプレゼントされ、満面の笑みを見せた。報道陣からの祝福に「こんなに大勢の人に祝ってもらえてうれしい。昔から母が誕生日には盛大にお祝いしてくれたことを思い出す」と、終始笑顔だった。実家では毎年、誕生日には豚の丸焼きを食べる習慣があったことなど、誕生日にまつわるエピソードも明かした。

 3月11日からは春場所(エディオンアリーナ大阪)を迎えるが「初優勝を目指して、すばらしい1年にできるように頑張りたい。まだ優勝できていないので、大関らしい相撲、初日から盤石の相撲、気持ちの良い相撲を取りたい」と意気込んだ。

 1月の初場所で、当時平幕の栃ノ心が初優勝を飾った姿も刺激になった。「栃ノ心関にもできたのだから、自分もできるだろうと思うようになった」と、序盤の取りこぼしを課題に掲げ、中日から8連勝で12勝を上げた初場所のように、上位との対決が控える中盤戦以降も互角以上に戦えば、優勝のチャンスはあると分析する。

 そのためにも「受け止めてから力強く、前に寄っていけるパワー、技術がほしい」と、四つに組んでから確実に白星につなげるための新たな「型」を模索しているという。その先に初優勝、さらには「自分の長所を伸ばして、1つでも上の番付を目指したい。28歳ですが、ここがピークではなく、この先、1年後、2年後も力が上がっているように鍛えていくだけ」と、言葉にこそしなかったが、兄弟子で同部屋の稀勢の里に続く、横綱への思いものぞかせた。