スポーツ庁の鈴木大地長官(51)は、大相撲の暴力問題について「正直、またかという感じ。危機感が足りないと思われても仕方がない」と強い口調で言った。「日馬富士の問題が起こって、再発防止に取り組んでいる最中だったのに、非常にがっくりきている」。さらに「協会をあげての取り組みを真に実効性のあるものにしてほしい、と強く申し上げたい」とした。

 鈴木長官は事件の背景にある相撲界の体質にも言及し「なぜ暴力事件が起きるのか、原因を徹底的に究明しないと、今後も続いてしまうかもしれない」と話した。相撲界には特別な価値観があることを承知しながらも「個人的な意見だが、同質の集団だというところも問題。(外部の意見を取り入れて)多様性をつけながら協会のガバナンスをしてほしい」とも言った。

 立て続けに不祥事が発覚したことで、いつもより語気は強め。「夏前に中間報告が出ると言われているけれど、なぜそんなにかかるのか」と言い放ち「協会は猛省して、スピード感をもって再発防止に取り組み、それがすみずみまで行き渡るようにしてほしい」と、最後まで怒り交じりに話していた。