関脇経験者で西幕下35枚目の豊ノ島(34=時津風)が、今場所の6番相撲でも快勝し、黒星発進から5連勝。5勝1敗と星を伸ばした。

 東幕下33枚目の入江(29=玉ノ井)と対戦。立ち合いで踏み込むと、すかさず二本差し。反時計回りに逃げる相手を終始、攻め立て腰を落として寄り切った。

 2番相撲から吹っ切れたような相撲が続く。「1番相撲とは別人のようで、あの時は考えすぎた。自分の相撲は決して前に出る相撲ではないけど、前に出る相撲なら悔いは残らないと思って取っている」と迷いがない。「内容も良いし、こんな相撲を続けて来場所につながるようにしたい」と、よどみなく話した。

 勝ってかぶとの緒も締めている。「勝ち星の後の相撲が大事だと思っているから、気を緩めずにやろうと思っている」と星勘定は頭から消して臨んでいる。幕内上位で活躍し優勝次点5回、三賞を9度受賞し、金星4個獲得の実力者が、この地位に甘んじるわけにはいかない。幕下陥落後も2度のケガに悩まされた男が、必死にはい上がる。