6戦全勝同士による幕下の優勝争いは、東53枚目の肥後ノ城(ひごのじょう、33=木瀬)が、東筆頭の白鷹山(高田川)を寄り切りで破り、初の幕下優勝を決めた。各段優勝は序ノ口、三段目に続き3度目となった。

 既に白鷹山は、4連勝で勝ち越しを決めた時点で、来場所の新十両を当確にしていた。筆頭で全勝の相手を前に「ユーチューブで(白鷹山)を見るたびに強いな、と思っていた。危なげない相撲ばかりだったし、ビビッてました」と肥後ノ城。それでもベテランの意地で、劣勢をはね返した。

 関取経験者だ。13年九州場所で新十両。4場所を関取で過ごしたが14年名古屋場所で幕下に陥落。以後、幕下は維持しているが年齢もあり、今場所前は「(負け越して来場所は)幕下から落ちるかな、と思っていた」ほど。それでも「4場所しか(十両に)いなかったので、もう少し上でやりたいという気持ちは切れていない」と気力を奮い立たせた。部屋の倉庫にしまい「怖くて開けられない」という、化粧まわしや締め込みなど関取を象徴する品々の封を解くためにも、5月は勝負の場所になる。