東十両筆頭の旭大星(28=友綱)が西十両8枚目の琴恵光を下し、勝ち越しを決めた。これで8勝5敗とし、来場所の新入幕が確実になった。

 北海道出身力士の新入幕は1992年初場所の立洸以来26年ぶり。1998年夏場所の北勝鬨(現伊勢ノ海親方)を最後に途絶えている道産子の幕内力士が復活する。

 立ち合いから旭大星が押し込んだが、琴恵光に反撃を食らって左にいなし、右に開いて引き落とした。

 「長かった…。まあ、また(番付が)据え置きになるかもしれませんけどね」

 つい、冗談も出た。1月の初場所は西十両筆頭で8勝7敗としながら、番付運に恵まれず、半枚上がっただけで今場所は東十両筆頭。今回は幕内からの陥落力士を考慮すれば、旭大星の新入幕はほぼ間違いない。

 先場所から体重は6キロ増えて、148キロ。今場所前の稽古も充実していた。

 「魁聖関によく稽古を付けてもらいました。だから今日も押し込めた。魁聖関とやっていると、他の人はそこまで重いと感じないようになった。ボコボコにやられましたけど、魁聖関にも『立ち合いが強くなってきたね』と言われて自信になりました。多い時は30番くらいやりました」

 北海道出身力士が幕内から途絶えていることは、最近になって聞かされた。「俺より先に矢後くんが上がっちゃうかなと思っていた」と言うものの、きっちり結果を残してみせた。

 大鵬、北の湖、千代の富士ら出身地別で最多となる8人の横綱を生んだかつての相撲王国・北海道。「盛り上がってくれるといいですね」と故郷に思いをはせた。