日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で理事会を開き、貴乃花親方(45=元横綱)に委員から年寄へ「降格」の処分を科すことを決めた。

 2階級降格で、基本給に手当を含めた月給は103万2000円から80万8000円へ、22万4000円の減額となる。

 八角理事長(元横綱北勝海)は会見で処分理由について春場所中の無断欠席などを挙げて「中日まで正当な理由無く欠勤を続けました。また貴公俊の暴力の監督責任もあります。現在委員ですが、今回の処分により年寄になります」と説明した。

 貴乃花親方は、元横綱日馬富士関による弟子の貴ノ岩への傷害事件以降、協会に反発する言動を続け、問題視されていた。また、春場所中に弟子の十両貴公俊(たかよしとし)が支度部屋で付け人を殴り、監督責任が問われていた。

 貴乃花親方は日馬富士関の傷害事件において、巡業部長でありながら協会への報告を怠ったことが問題視され、すでに1月には理事から役員待遇委員へ2階級降格処分を受けた。さらに2月の理事候補選で落選したため、28日に発表された職務分掌では慣例に従い、委員に降格していた。

 このため、わずか3カ月の間に理事→役員待遇→委員→年寄と合計5階級も降格。月給は理事当時の144万8000円から、年寄の80万8000円へと、64万円もの減額になる。

 貴公俊には1場所出場停止の処分が科された。昨年9月ごろから今年1月にかけて、弟弟子(既に引退)を4度暴行した峰崎部屋の力士は1場所出場停止、師匠の峰崎親方(元幕内三杉磯)は2カ月間の10%減給の処分が科された。

 道交法違反(無免許運転)の罪で略式起訴され、引退勧告処分を受けて角界を去った元幕内大砂嵐関の師匠、大嶽親方(元十両大竜)は、本人の申し出により2カ月間の10%報酬返上となった。