京都府舞鶴市での大相撲春巡業で、土俵上で倒れた市長に救命処置を施した女性が土俵から下りるよう促された問題について、各国メディアは6日までに、日本での女性差別を象徴する出来事だなどと批判的に報じた。

 米紙ニューヨーク・タイムズは、相撲の「差別的な慣習が世間の厳しい目にさらされている」と解説した。スイスの「世界経済フォーラム」の2017年版「男女格差報告」で日本は144カ国中114位。タイムズ紙はこれを踏まえ、今回の出来事が「日本でどのように女性が扱われているかを物語った」とした。

 ワシントン・ポスト紙は、土俵から下りるよう指示されたのは「このスポーツのしきたりで、女性が不浄と見なされているからだ」と指摘した。

 英BBC放送は、日本相撲協会の関係者が市長の搬送後、土俵に塩をまいたという報道にふれ、「これが命を救おうとした人への対応か。相撲協会にこそ塩をまくべきだ」との日本のツイッター利用者からの批判を紹介した。

 中国では、ニュースサイト「新浪網」が「こんな状況で救命措置をやめろというのか」「非常識なアナウンスだ」など、日本での非難の声を紹介。短文投稿サイトでも現場の動画が多く共有され、「市長の命よりも伝統が大事なのか」といった書き込みが見られた。

 韓国の東亜日報は、動画が日本国内外に広がり「(女人禁制は)前近代的な慣行だとの非難を受けた」と伝えた。