大相撲の横綱白鵬(33=宮城野)の母タミルさんによると、父ジジド・ムンフバトさんが9日、肝臓の病気などのためモンゴル・ウランバートルの自宅で死去した。76歳だった。

 ムンフバトさんはレスリングの選手として64年東京大会から五輪に4大会連続出場。68年メキシコ大会では87キロ級で銀メダルを獲得した。モンゴル初の五輪メダリストになった。年に1度開催されるスポーツの祭典「ナーダム」では、モンゴル相撲で6度の優勝を果たすなど、国民的英雄として知られていた。

 07年には日本とモンゴルの国交樹立35周年を記念して東京都で講演するなど、たびたび来日。白鵬が史上最多33回目の優勝を果たした15年初場所でも国技館を訪れ「息子が優勝33回の新記録を打ち立てたことをうれしく思う」と喜んでいた。