大相撲に伝わる土俵の女人禁制を、女性差別と訴えている兵庫県宝塚市の中川智子市長(70)が19日、都内の日本相撲協会とスポーツ庁を相次いで訪問し、要望書を手渡した。

 相撲協会では芝田山広報部長(元横綱大乃国)と面会。中川市長は、今月6日に同市で行われた春巡業でのあいさつの際に、女性の自身が土俵に立てないことを問題視。この日、芝田山親方と対話する中で、中川市長は「理事会などで議論を始めると明言していただいた」と明かした。

 また、スポーツ庁では今里次長と対面した。中川市長によると、女性を土俵に上げられるかどうかの議論については「相撲協会の自主性」と回答されたという。だが続けて「スポーツ庁から指導することはできないけど、助言することはできるので、助言していく」との約束を交わしたと説明した。女性を土俵に上げても良いという結論に至るかどうかについては「厳しいと思う」と、否定的に話した。それでも、土俵の女人禁制問題が進まなければ「半年後に必ず参ります」と誓った。

 この日は宝塚市の職員2人を伴って上京したが、費用については「公費です」と税金を使っての移動と明かした。また公休を利用したわけではなく、業務だとも付け加えた。現在は市議会が行われていないことを強調しつつ「議長と副議長に『行ってきまーす』と言って来ました」と続けた。「一部ではパフォーマンスではないかとか言われましたが、なぜパフォーマンスをしないといけないのですか」と、厳しい質問を続ける報道陣をけん制する場面もあった。