6場所連続全休中の横綱稀勢の里(31)が2日、出場を目指す夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)に向けて、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋で充実の汗を流した。

 前日に続く大関高安との三番稽古。前日は、高安が右肩を痛め4番のみで終わったが、この日は16番取って14勝2敗。「自分の形」という左四つに組み止めジックリ攻めたかと思えば、得意の体勢から休まず速攻で寄り切る。また、まわしにこだわらず突き押しで攻め込む場面や土俵際で逆転するなど「相手もいるから、いろいろ試した」という多様な相撲で、内容充実の23分間の稽古を消化した。

 左大胸筋などの負傷により、昨年の夏場所から連続休場中。その1年が過ぎ「また新しいスタートだと思ってやりたい。体の状態は、非常に良くなっている」と心身の状態は、最近になく良好のようだ。「あとは、しっかり(自分の)形を決めて、力が(相手に)伝わるように我慢して取れるように、しっかり稽古したい」と語った。

 三番稽古の後は、ぶつかり稽古で高安に何度も転がされ、体中が砂だらけに。「我慢する状態が大事だし、苦しい分、何か見つかることもある」と充実の表情を浮かべながら話していた。