大相撲の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が、夏場所(13日初日、東京・両国国技館)を休場することが決まった。

 11日、都内の部屋で師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が取材に応じ、左大胸筋の負傷で1カ月程度の加療を要することを明かした。これで7場所連続休場となり、年6場所制となった1958年(昭33)以降の横綱では、貴乃花と並ぶ最長記録となった。また、同部屋の大関高安(28)も左上腕の負傷のため休場することも、併せて明かした。

 報道陣の前に現れた田子ノ浦親方は途中、目に涙を浮かべながら、横綱、大関がそろって休場する無念さを語った。稀勢の里とは前日10日から話し合い、休場を勧めていたという。「責任感の強い男ですから、場所に出るつもりでやってきましたが思うような相撲が取れなかった。本人も(休場)せざるを得ないと分かっていた。最後は『はい、休場します』と言っていた」と、この日早朝の電話で説得した格好になったという。続けて「何とかもう1度、皆さんの前に強い横綱として出てこられるようになってもらいたい」と、復活を期待した。

 高安については「部分断裂している」と明かした。高安本人は前日に出場の意欲を示していたが、7日の二所ノ関一門の連合稽古で痛めた左上腕の負傷は軽くはなかった。