不祥事が相次いだ大相撲で、新体制後初の本場所となる夏場所(東京・両国国技館)が13日に初日を迎える。3月26日の日本相撲協会理事会で、全会一致で3選が決まった八角理事長(54=元横綱北勝海)がインタビューに応じた。これまで語ることの少なかった思いを口にした。【取材・構成=高田文太】

 ◆テーマパーク化構想

 相撲協会は現在、最も世間からたたかれやすい組織といっても過言ではない。広報部長の経験もあるだけに「広報の難しさは分かっている」と、たたかれる要因があることも認識。その広報部長時代には、自費で米大リーグのヤンキースや15年ラグビーW杯イングランド大会なども現地で視察し、学んだ。

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 八角 私たちの次の世代か、いつかは分かりませんが、国技館をテーマパークみたいな楽しい、その中で相撲はすごいと感じてもらえる場所にしたい。ヤンキースに行った時、やっぱり楽しかった。野球も楽しかったし、周りにショッピングモールとかもあってね。欧州のサッカーも、観客席に滑り台があって、保育士がいるから、お父さん、お母さんも楽しめる。国技館も中に入れば江戸時代。ちょんまげ文化、着物文化。でも外に出ればソフトクリームも売っているし、そのうちショッピングモールもできたら。升席ばかりでなくリクライニングシートみたいな見やすい席もつくれたら。朝から、序ノ口の取組から見てほしいですね。

 伝統を見直すと同時に、新たなことに挑戦する姿勢も失わない。不祥事が相次ぎ、責任を取って辞任することも考えたか質問すると「そんな責任の取り方はしません。やることが責任。ちゃんと改革して、いい時期になって、いい道を後の人につくってあげてから」と即答。今期の2年、さらにその先を見据えていた。