西前頭2枚目の阿炎(24=錣山)は、3連勝はならなかった。琴奨菊に見せ場なく寄り切られて3勝5敗。6日目は横綱白鵬に快勝して金星を獲得し、7日目は大関豪栄道から引き技ながら殊勲の星を挙げた。

 場内の声援は日に日に大きくなっているが「ダメでした。思い切り取れていない。考えずに思い切りいくのが自分のいいところなのに、考えすぎちゃった。足も出ていなかった」と、うつむきながら話した。

 それでも「もう2ケタは無理ッスか?」と、報道陣に逆質問してから、いつもの明るいトーンに戻った。残り全勝で、1月初場所の新入幕から3場所連続2ケタ白星という、ライバルであり親友でもある現在十両の阿武咲が持つ記録に追いつく可能性があると確認し「ヨッシャー、まだ夢はある!」と笑った。

 また、白鵬から金星を挙げた後、NHKのインタビューで「お母さんに早く報告したいので帰っていいですか」と答えた珍セリフに続き、7日目の豪栄道撃破後のインタビューでは「今日はお父さんに」と話していた。母早苗さんには、実際に連絡していたが、父俊和さんには「しなかったッス」と、笑って明かした。最後は「せっかく楽しんで取れているのに落ち込んでもしょうがない」と、足取り軽く引き揚げていった。