関脇栃ノ心(30=春日野)が11連勝を飾り、大関昇進に限りなく近づいた。対戦成績7勝24敗と分の悪かった元大関の琴奨菊に左前まわしをとられ、がぶられたが、どっしり受け止め、左上手でまわしを引くと、豪快な投げを決めた。大関昇進の目安は「直近3場所を三役で、合計33勝以上」とされるが、初場所14勝、春場所10勝に11勝を加え、35勝となった。

 「立ち合いでちょっと迷った。差すか、まわしをとるか。でも、左(上手でまわし)を捕まえたら、もう大丈夫」。口調には絶対的な自信が漂う。12日目には、いよいよ横綱白鵬と激突。過去25戦全敗と1勝もしていない天敵だが、直近の対戦は昨年の名古屋場所。その後に初場所で初優勝を飾るなど、これまでと状況は違う。

 「今日はまだ考えたくない。明日のことは明日考える」と言いながら「気合入ってますよ。(今までの気合とは)ちょっと違うかもしれない。大事なのは“やってやる”という気持ちじゃないですか」と大一番への抱負を口にした。