関脇栃ノ心(30=春日野)が、天敵の横綱白鵬を破り無傷の12連勝、大関とりへ、また大きく前進した。

 立ち合いから右四つがっぷりとなり、まわしを引きつけながら力勝負で寄り切った。インタビュー室に呼ばれた栃ノ心は大きく息を弾ませながら声をつないだ。

「うれしい。勝って良かったです。攻めて攻めて。最高です。明日からあと3日間しかないので気合を入れてやりたい」。

 大きな壁を乗り越えた。10年前の08年九州場所の初顔合わせから、白鵬戦は25戦全敗。寄り切り14度、上手投げ8度、下手投げ1度、すくい投げ1度、はたき込み1度。全く歯が立たず、土俵でたたきのめされてきたが、優勝40回を誇る角界の第一人者についに土をつけた。

 これで直近3場所の合計勝ち星は「36」となり、大関昇進の目安とされる「直近3場所を三役で計33勝以上」の条件で白星は3つも上回った。

 栃ノ心が、自身初となる全勝Vで大関昇格に花を添えるつもりだ。