新十両の美ノ海(ちゅらのうみ、25=木瀬)が連敗を6で止め、2勝7敗とした。

 負け越しの危機に相手は幕下で2戦2敗の矢後。強烈なのど輪を食って追い込まれたが、土俵際で相手の左手をたぐり、網打ちを決めた。物言いがついたが、軍配通り。「負けたと思った。(物言いでも)勝ちはない、あって取り直しと思いました」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。珍しい決まり手に「プロでは初めて。アマチュアの時も…遊びでやったぐらい。どうやったら決まるかわからなかった」という。

 6連敗中は「前に出る」「左でまわしをとる」の2点を意識。「白鷹山関、照強関の2番以外は、負けたけど悪い相撲ではなかった。だから、7敗しましたけど“まだここから”と思える。まあ全部は難しいでしょうが…」。十両昇進から側陥落のピンチは続く。負け越しにリーチがかかった状況に変わりはないが、気持ちは前向きだ。

 幕下までは15日間で7番だった。そのせいか、8日目の前日朝は「一気に疲れが来ました。起きてもフラフラしていた」と笑う。2日目の初白星は軍配差し違え、この日は軍配通りと、2勝とも物言いがついた。「ほんとだ。珍しい。次はスッキリ勝ちたいですね」。久々の白星に、表情は明るかった。