6戦全勝同士による序ノ口の優勝争いは、東28枚目の津志田(19=時津風)が、5月の夏場所で初土俵を踏んだ同期生で西29枚目の浪満(17=立浪)を得意の相撲で押し出した。

 番付に初めてしこ名が載った“デビュー場所”での幸先いい力士人生のスタート。ただ津志田は、喜びを爆発させるわけでもなく、穏やかな表情で喜びをかみしめた。今場所を振り返り「7番とも、しっかり集中して相撲が取れました。今日は、なおさら1番勝負。集中して一発で決めようと思いました」。

 岩手・八幡平市出身。小2から相撲を始め6年時には、わんぱく相撲の全国大会でベスト8。西根一中2年時には全中で団体準優勝。平舘高2年時の高校総体では団体8強など、実績を携えての入門だった。「回りからは(優勝して)当然だ、みたいに思われていた。実際に勝ってみて、やっぱりうれしかった」と、少しだけ感情を表に出した。

 突き押し相撲で制したが「次からは四つ相撲に磨きをかけたい」と言い、将来的にも「両方ともできるように」という。また目標の力士についても「正直、あまりいません。誰かに似せていこうと思わないで、自分らしい相撲を取りたい」と意思は明確。入門時に「関取になるまでは、ふるさとに戻らない。そのつもりで稽古に励みたい」と話していた固い決意で力士人生を歩む。