14日目に13勝1敗で初優勝を決めた関脇御嶽海(25=出羽海)が千秋楽で前頭9枚目の豊山(24=時津風)に逆転の掛け投げで敗れ、13勝2敗で場所を終えた。

 初優勝決定後、うれし涙をこぼしたが、すぐに千秋楽に集中した。来場所が大関とりになる可能性を問われると「来場所は来場所また考えたい。あと1番勝って終わりたい」。その言葉どおり、気迫のこもった相撲を披露。逆転の投げで敗れたものの、会場をわかせた。

 日本相撲協会は秋場所(9月9日初日、両国国技館)が大関獲りとなるとの考えを示している。優勝決定後の千秋楽も敗れたものの、攻防ある相撲で好印象を与えたことは間違いない。

 3横綱、1大関が休場した今場所、初日から連勝街道を走り、主役を張り続けた。14日目には、前頭13枚目の栃煌山を寄り切りで下して平成生まれでは照ノ富士以来2人目で、日本出身力士としては初めて賜杯を抱いた。

 名門出羽海部屋の力士としては80年初場所の三重ノ海以来38年半ぶりで、長野県出身力士としては、優勝制度が制定された1909年(明42)以降は初めて。古くは最強の異名を取った江戸時代の雷電の1810年(文化7)以来の優勝だった。