3連勝締めのベテランが来場所での関取復帰を誓った。関脇経験者で西幕下7枚目の豊ノ島(35=時津風)が、4勝2敗で迎えた今場所最後の7番相撲に登場。同12枚目の芝(26=木瀬)を左四つに組み止めると、右上手も引く十分な体勢から腰を落として寄り切った。1番相撲から一進一退の白星、黒星を繰り返していたが、2勝2敗から3連勝で締めくくった。

 「(5勝目を)取ると取らないとでは全然、違う。気持ちを切らさずにできた」と豊ノ島。先場所同様、7戦全勝なら再十両だった可能性は、2番相撲で敗れついえた。必死に気持ちを切り替えて、来場所の幕下上位を確実にするための5勝以上に目標を修正。これで来場所は、勝ち越せば関取復帰が見込める幕下2~3枚目への番付アップが有力視される。

 幕下上位には、苦い思いもある。昨年春場所(東2枚目=1勝5敗1休)、今年初場所(3敗4休=東5枚目)と、いずれもケガで途中出場、途中休場の憂き目にあっている。その苦い思いも、三度目の正直でうれし涙に変えたい。「怖がらず、ケガをしたらした時。自分の相撲を取りますよ」と言って、さらに続けた。「(関取復帰を)来場所、決めます。もう(幕下生活は)終わりにします。有言実行!」。軽やかな足取りで戦い終えた場所を引き揚げた。