1敗同士の大関対決で高安(28=田子ノ浦)が、豪栄道をかいなひねりで破って優勝争いに残った。中日に今場所初黒星を喫するも、兄弟子の横綱稀勢の里の奮闘に刺激をもらいながら1敗をキープ。今場所の横綱、大関陣では唯一自分だけが手にしていない賜杯へ、無敗の横綱鶴竜と白鵬を追いかける。

両者1歩も引かない、鋭く踏み込んだ立ち合い。瞬時に高安は左を差して組み止めると、タイミングよく体を開きながら差し手を抜いて豪栄道をはわせた。幕内では自身初となる、かいなひねりでの勝利。「かいなひねり? 下手投げでしょ」と、優勝争いの生き残りをかけた一番でも冷静だった。

白星こそ1つ上に立つが、兄弟子の奮闘には刺激を受けている。この日朝、今場所の稀勢の里について聞かれると「気持ちが引き締まります」と力になっていることを明かした。そして「自分のためにも部屋のためにも一生懸命頑張ります」と、自身の白星で兄弟子を勢いづけるつもりだ。1敗を守り、今日11日目は無敗の白鵬と対戦。12日目以降には鶴竜戦が控えているだけに、勝てば初優勝が近づく。「もう1回気を引き締めて」と短い言葉に力を込めた。