横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、先場所優勝の関脇御嶽海を破り、9勝目を挙げた。立ち合いは右で張った。だが頭をつけて右上手を引きながら左回りに動き続ける御嶽海に、上体を起こされた。不利な体勢に、稀勢の里は左からのすくい投げを連発。徐々に体勢を整え、勝機を待った。万全の形になるまで27秒3を要した。最後は左を差して右上手を引き、土俵際に追い詰めると、身動きが取れず観念したような御嶽海を、静かに寄り切った。

日馬富士を超える幕内通算713勝目。落ち着いて取れたか問われると「まあそうですね」と静かに語った。2ケタ白星をかけて、13日目は全勝の横綱白鵬と対戦。昨年3月の春場所で稀勢の里が横綱に昇進し、優勝したが、同場所は白鵬が休場。横綱同士で初めて対戦することになる。