大相撲の貴乃花親方(46=元横綱)が25日夕方、日本相撲協会に引退届を提出後、都内で引退記者会見を開いた。

貴乃花親方は引退の理由として、元横綱日馬富士による弟子の貴ノ岩への暴行事件に関連して、日本相撲協会の対応を問題視し、内閣府公益認定等委員会に提出していた告発状を3月に取り下げたが、その内容を事実無根だと認めるよう、協会に重圧をかけられたからと説明した。

その上で、協会からの重圧について「正式な書面はないが、名前は控えさせていただきたいが、ある方から秋場所の後半戦に入り話が聞かされた」と明かした。告発状を事実無根と認めろと言うこと? と聞かれると「はい」と答えた。「告発状を取り下げたが、事実無根と認めることだけは出来なかった」とも語った。

2003年1月の大相撲初場所9日目の20日に引退した際、「すがすがしい気持ちです」と語ったが、この日の気持ちを聞かれると「苦渋の決断」と答えた。その上で「何より弟子たちの将来を見据えて断腸の思いです。弟子達がかわいいですので、柔らかな気持ちで見守って上げたいという思いはとても強くあります」と語った。「無念といいますか、悲しい思い…弟子たちが土俵で活躍することが第一」とも語り、表情をゆがめた。【村上幸将】