部屋が消滅する貴乃花部屋の部屋頭で小結の貴景勝(22)が30日、初めて公の場で師匠の退職問題について語った。元横綱日馬富士関の引退断髪披露大相撲がこの日、東京・両国国技館で行われ、幕内取組に臨む貴景勝も、両国国技館を訪れた。

師匠の決断には「自分は22年しか生きていない。その知識の中で口出しするのは軽はずみだと思う」と控えめに話したが、今後への切り替えは「いろいろ考えましたけど、自分らには相撲を頑張ることしか出来ない」と何とか踏ん切りはつけた様子。新しい師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は、部屋継承前は貴乃花部屋付きの親方であったこともあり「昔、指導していただいたので不安とか怖さもない。向こうの部屋の方針にも柔軟に対応したい」と話した。

とはいえ「貴乃花部屋」の消滅には、小学生の頃から師匠と親交があっただけに、惜別の念は隠せない。「小さい頃から子供ながらに親方に付いて行こうと思ってこの世界に入った。それは自分の心で思っておけばいい。心の中では貴乃花親方の根本的な考え方を忘れず、しっかり自分の幹にたたき込んで行こうと思う」と言葉を選ぶように話していた。