幕内格行司の式守与之吉(49=宮城野)が、土俵復帰を果たした。ギラン・バレー症候群を患い、本場所は5場所連続休場中だが、30日の日馬富士引退披露大相撲(両国国技館)で、幕内の取組2番を裁いた。

すでに病気を克服し、復帰への準備を進めていたが「今日を迎えるまで、2、3日眠れませんでした。もし声がでなかったら、どうしよかと」と明かした。心の中は不安ながらも、無駄のない美しい所作や、張りのある声は休場前と同じ。「2月くらいまでは本当に寝たきりだったので、土俵に立っているのが自分じゃないみたいでした」と振り返った。

今後は秋巡業に同行して取組を裁きながら、九州場所で本場所復帰する予定。「リハビリの先生に見てもらいたい。驚くと思いますよ」。行司部屋に戻る際には、三役格の式守勘太夫から「おめでとう」と声を掛けられていた。