第70代横綱日馬富士引退披露大相撲が30日、東京・両国国技館で行われた。元日馬富士関は、綱締め実演で土俵に上がった後、「最後の土俵入り」を披露。露払いに横綱鶴竜、太刀持ちに横綱白鵬を従え、不知火型を披露した。

「現役の横綱2人と3人でするのは名誉なこと。感動した。心を込めて見に来たお客さんが元気になるようにと思ってやった」と振り返った。

この後の断髪式では、リオ五輪柔道金メダルの大野将平、元WBO世界バンタム級王者亀田和毅のほか、稀勢の里ら3横綱がはさみを入れ、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が止めばさみを入れた。

約400人にはさみを入れてもらい「その人の出会いを思い出していた。あっという間の18年間。悔いのない18年間。新しいスタートなので泣くわけにはいかない」と涙は見せなかった。

まげを切った後は、オールバックに整髪。タキシードを着込んで、最後は土俵上であいさつした。

「今日は足元が悪いなか、私の引退相撲にお越しいただき、誠にありがとうございます。皆さまの温かい声援と支えのもとで、第70代横綱になることができました。横綱という地位を授かった時は、相撲を通じて皆さまに感動と喜び、勇気を与える相撲を全身全霊で考えてきました」などと感謝を伝えた。

元日馬富士は、昨年10月に起こした貴ノ岩への傷害事件の責任を取って同年11月に引退。その師匠である貴乃花親方(元横綱)が今月、日本相撲協会に退職を届け出た。その貴乃花親方について聞かれると「私は相撲協会を離れているので、相撲協会のことをしゃべる権利はない。18年間、お世話になったことに感謝してます」とだけ話した。

今後の人生については「世界中を旅して勉強したい。新しい目標を見つけたい」と次の挑戦へ意欲的だった。行きたい国は「ヨーロッパとかアジアとか。たくさんあります。旅行したことないからね」と夢を膨らませた。