横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、同じ二所ノ関一門に加入予定の、23歳の若手を歓迎するように“かわいがり”を行った。大相撲の秋巡業は5日、栃木・足利市で行われ、稀勢の里は朝稽古のぶつかり稽古で、11月の九州場所で幕内2場所目となる、千賀ノ浦部屋の隆の勝に胸を出した。秋巡業3日目で土俵に上がるのは初。約8分間にわたり稽古をつけた後は「お互い良い稽古になる。大事なことだから」と振り返った。

ぶつかり稽古の途中からは、徐々に隆の勝への声援が増えた。隆の勝の千賀ノ浦部屋は、1日付で元貴乃花親方が退職したことに伴い、旧貴乃花部屋と合併した上、二所ノ関一門に加入の見通し。稀勢の里は「一生懸命さは伝わったんじゃないかな」と、ファンに新たな仲間を紹介することにも成功し、笑顔を見せた。そんな横綱の配慮と期待に隆の勝は「たくさんの中から選んでいただき、感謝しかないです」と喜んだ。