大相撲秋巡業は7日、千葉市の千葉ポートアリーナで行われ、大関栃ノ心(30=春日野)が、この秋巡業5日目で初めて本格的な稽古で汗を流した。

栃ノ心は今巡業の初日から4日目まで、十両や平幕相手に、立ち合いから受けて相手に押させて、土俵際まで後退したところで寄り返す稽古を連日、15番以上も行っていた。この日は初めてグループ形式の申し合い稽古に参加。横綱、大関陣としても初めて相撲を取る稽古で汗を流した。

グループは関脇御嶽海、平幕の正代、佐田の海の4人。3人を相手に7連勝後、御嶽海に寄り切られたが、その後も土俵に立ち続け3連勝。11番取って10勝1敗で土俵から下りた。

申し合いや三番稽古など、本格的に相撲を取る稽古は「久しぶりだったんでね」と少々、疲れた様子を見せたが「俺みたいに弱いやつは勝てないからさあ、少しずつ稽古をやらないとね」と笑いながら話した。

かど番で迎えた大関2場所目の秋場所は、14日目にやっとの思いで勝ち越し。「化粧まわしを8本も、もらっておいて1場所で(大関から陥落)なんて申し訳ないからね。落ちたら…という気持ちが強くて緊張もあったし初めて(大関の重圧を)感じた」とプレッシャーのかかった秋場所を振り返った。

苦難を乗り越え、ケガで名古屋場所を途中休場した右足親指も「テーピングを巻いたら大丈夫。怖さもない」と再スタートへ切り替えは出来ている様子。この日の取り口では、右のおっつけから差す動きを繰り返し「師匠からいつも『相撲はおっつけと絞り』と言われている。おっつけてからまわし」とイメージをたたき込んでいる様子。「(秋場所も)千秋楽で勝って、いい感覚を頭で覚えているから次につながる」と1年納めの九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)で有終の美を飾るつもりだ。