初の一人横綱として臨んだ稀勢の里(32=田子ノ浦)は、小結貴景勝に敗れて黒星発進となった。

右で張った立ち合いから、まわしを取りにいったが、左右に動きながら繰り返される、相手の突き、押しに、徐々に防戦の展開となった。最後は右からの突きが命中せずにいなされ、はたき込みで前のめりに倒れ込んだ。

支度部屋に戻ると「相手の正面に立って攻めることができていたが」という質問と、「(はたき込みは)タイミングがはまってしまったか」という質問に、2度「そうですね」と答えた以外は無言だった。

これで横綱として出場した7場所目で、実に5度目の黒星発進となった。過去4度はいずれも途中休場。だが今場所は白鵬と鶴竜が休場し、優勝争いや、9場所ぶりに皆勤して10勝5敗だった9月の秋場所以上の成績が求められている。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「体は動いている」と、状態は悪くないと判断。2日目は東前頭筆頭の妙義龍と対戦する。