13場所ぶりの関取復帰場所となった東十両13枚目の豊ノ島(35=時津風)が、2人合わせて74歳のベテラン対決を制し、6勝目(3敗)を挙げた。

現役関取で年長2番目の39歳で、同9枚目の豪風(尾車)と対戦。立ち合いから押し込んだが、引かれて体が泳ぎ、相手に背中を向ける絶体絶命の体勢に。何とか反転し体勢を整えようとすると、今後は左で押そうとした豪風が的を外すように空振りし、時計回りにクルリと1回転。その隙をつき、体勢の崩れた豪風を押し込み、左腕をたぐるようにしながら、体を寄せながら寄り倒した。

4歳年下の関取年長4番目の若さを味方にした? 豊ノ島は、立ち合いからの流れを振り返った。

豊ノ島 (相手の引きは)頭にあっても食ってしまった。自分自身も(引き技を)食ったと思ったけど(その後は)体が動いてくれた。(反撃のシーンは相手の)後ろが見えたから(背後を)取ろうと必死。相手は半身だったけど、一本背負いとか絶対、何かするな、と思ったから、そこは冷静に体を寄せました。

必死さの中にも、頭は冷静に対処。瞬時の判断で詰めも抜かりなかった。土俵際で背を向けながら必死に踏ん張った時、「残そうとする反動で足がグッと入って一瞬、ドキッとした」というが「何ともなかった。体も動いている。残りも楽しんで相撲を取りたい」と残り6日間の土俵も満喫するつもりだ。

豪風とはここまで、幕内で26度対戦し8勝18敗。最後の対戦は15年秋場所で、約3年ぶりの顔合わせだった。初対戦は05年夏場所で豊ノ島21歳、豪風25歳。13年半がたっても関取で奮闘することに「土俵に上がったら燃えるものがあった。2人足して74歳か…。オッサンだけど、いろいろなオッサンとやりたいですね」と笑い飛ばした。番付を上げれば、現役関取最年長40歳で十両の安美錦(伊勢ヶ浜)、同3番目の36歳で幕内の嘉風(尾車)との対戦も可能だ。