大相撲の平幕貴ノ岩(28=千賀ノ浦)が7日、東京・台東区の部屋で引退会見を開いた。テレビカメラ6台、報道陣約60人が集まる中、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)も同席。貴ノ岩は会見冒頭で約10秒間、頭を下げた。その後「(付け人に)大変つらい思いをさせてしまった」と一言。師匠や部屋関係者、相撲協会、ファンの名前も挙げて「迷惑をかけてしまい本当に申し訳ございません」と謝罪した。「深く反省し、責任を取り、今日をもって現役を引退させていただきます」と語った。

付け人を殴ってしまったことについて「自分の弱さ」と声を小さくした。昨日6日は千賀ノ浦親方と話し合い「まだまだ頑張れる。まだやれるんじゃないか。頑張ろう」と声を掛けられたが、貴ノ岩の意思は固かった。

前師匠の元貴乃花親方には「育ててくれて感謝の気持ちと、迷惑をかけて申し訳ない気持ちです」と神妙な面持ちで語った。

貴ノ岩は4日午後11時ごろ、冬巡業で滞在していた福岡・行橋市のホテルで付け人の三段目貴大将(23)を4、5発殴打。翌5日に事態が判明し、日本相撲協会の事情聴取を受けた。暫定処置として、部屋で謹慎していた。今後は日本相撲協会の理事会で処分が決まる見通しだったが、処分を待たずに自ら引退を決断した。