日本相撲協会は19日午後1時から、東京・両国国技館内で関取衆を対象にした「付け人に関する特別研修会」を開いた。

今月上旬に幕内力士だった貴ノ岩(当時千賀ノ浦部屋所属)が付け人に対し、暴行した問題が発覚。元貴ノ岩は責任を取って引退した。今年3月には、当時十両だった貴公俊(当時貴乃花部屋所属)がやはり付け人を殴打。来年2月に「研修ウイーク」として暴力根絶の研修会を予定していたが、それを前倒しするかたちで開催された。

この日の研修は八角理事長(元横綱北勝海)と春日野巡業部長(元関脇栃乃和歌)が講師役としてマイクを持ち、付け人への接し方や、付け人は部屋の師匠から借りているという認識の徹底などを説いたという。

約15分の研修会終了後、力士会会長の横綱鶴竜(33=井筒)が取材対応。「関取衆も付け人も、お互いに感謝の気持ちを持って、暴力は絶対にふるってはいけないということ。関取衆みんなが胸に入れて常日頃からしっかり認識しないといけない」と説明。何度も強調するように「(付け人が)忘れ物や失敗があっても、今日言われたことを思い出して、暴力をふるってはいけない。一生懸命にやっている力士にも迷惑をかけることだし、関取衆の1人1人が自覚をもつことが大事。いくら言われても聞き入れなければ暴力は起こる。忘れないでしっかりやることが大事」と熱っぽく話した。

鶴竜によると、11月の九州場所前の力士会でも、尾車事業部長(元大関琴風)が講師役となり、暴力根絶を訴えたという。「その矢先の今回(の貴ノ岩)の問題。せっかく盛り上がっているのに残念」と力士会会長はとトーンを落としていた。