日本相撲協会は16日、都内で理事会を行い、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)の引退と年寄「荒磯」襲名を承認した。稀勢の里は大相撲初場所で初日から3連敗を喫し、4日目のこの日朝、都内の部屋で師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が稀勢の里の引退を明かした。

稀勢の里は午後、両国国技館で引退会見を行った。引退した現在の心境を問われると「横綱としてみなさまの期待にそえられないということは非常に悔いが残りますが、私の土俵人生において一片の悔いもございません。たくさんの人に支えられて1人1人の顔を思い出しますし、感謝の気持ちでいっぱいです」と途中で声を詰まらせながら話した。

新横綱に昇進した17年春場所の、横綱日馬富士戦で左大胸筋付近を負傷。ケガを押して出場して同場所は優勝を果たしたが、負傷の影響により8場所連続休場を余儀なくされた。あらためて負傷した箇所について問われると「徐々によくなってきましたが、自分の相撲を、ケガする前に戻すことはできなかったです」と声を振り絞りながら明かした。