西前頭11枚目勢(32=伊勢ノ海)が左目を痛めた。西前頭14枚目千代翔馬を寄り切ったものの、立ち合いで左目に強烈な張り手を浴びた。勝負が決まった後は、土俵上で顔を押さえ、しばらくうつむいたまま。支度部屋に戻っても、風呂を後回しにし、座り込んで氷嚢(ひょうのう)を当て、うめき声をもらし、付け人に「目の奥が折れてるかもしれん」ともらした。

「見えてるんですけど、当たった瞬間、息止まりました。掌底(しょうてい)みたいな感じ。目の奥全体が痛い。頭も痛いし、首も痛い。脳振とうもあるみたい」。初日の輝戦で右目上の額に8針縫う裂傷を負ったが、その時より明らかに重傷のようだ。

05年夏場所の序ノ口デビューから休場なく、918連続出場中だ。「何があっても出続けること」を信条とする男は「(痛めた箇所が)初めてなんで、病院で診てもらいます」と言いながら、休場だけは絶対に避けたい様子。「もう、目ん玉取れても頑張ります」と、自分に言い聞かせるようにして場所を後にした。