再十両2場所目の西十両5枚目の豊ノ島(35=時津風)が、同3枚目の石浦(29=宮城野)と対戦。押し出しで勝ち、連勝で星を5勝3敗とした。

13場所ぶりに関取へ返り咲いた先場所の対戦では押し出しで敗れていた。この日も軽量を相手に、押し込めずに引いて一気に東土俵に詰まったが、ここからがベテランの味。冷静に相手の動きを見極め、懐に飛び込もうとする石浦をもろ手で突き返し、逆に西土俵まで一気に運び最後は危なげなく押し出した。

さすがに引いた場面は反省が残る。「今日は引かないと決めていたから、引いた瞬間“バカッ”と思った」という。その後も一瞬「もう1回引こうかなと(頭をかすめた)」。ただ、そこをこらえた。「もう一丁、引いてたらやられた。あそこで思いとどまったからね」と、その後の流れを引き戻した。

中間点の8日目を終え5勝3敗。ここまでは「疲れが出てるのは出てるけど、大丈夫。(星も)十分でしょう」と自己評価。今場所の番付から、来場所は稀勢の里と貴ノ岩が番付から消える分、幕内への昇格枠も増え残り1週間も気の抜けない日々が続く。そんなベテランの験担ぎでもあり、心を休めるひとときが、夜に長女の希歩ちゃんとゲームで過ごすこと。時間にして30分程度だが、アクションレースゲームのマリオカートにはまっているという。「今場所、勝った前夜は必ずやっている。負けた前夜は娘が寝てしまってできなかった。くだらない験担ぎかもしれないけど」と和やかな表情で明かした。今後の星の伸びは、どうやら「娘のまぶたの重さ次第」(豊ノ島)になりそう?