私にとって稀勢の里はアイドル。だから、まだまだ“稀勢ロス”です。ファンになったのは8歳の頃。15年間も追いかけてきました。以来、ずっと心の支えで人生に寄り添ってくれる存在。武蔵丸、魁皇に続く、私の殿堂入り力士です。殿堂入りの基準は「私がどれだけ好きか」。四つ相撲ができて、普段はおだやかだけど、カメラの前では厳しい表情を見せる「相撲道」の世界を体現している昔ながらのお相撲さんが多いかな。

白鵬63連勝阻止では心が震えて「私も頑張ろう」と思いましたし、肝心な時に負けて目をパチパチさせている時には、もっと応援したくなる。相撲の神様に見放されてきた感じで、運もタイミングも悪い。そんな中、自分の努力で横綱に上がったのは本当に感動しました。決してイケメンではないけれど、その生きざまや相撲内容で母性本能をくすぐる、守ってあげたいタイプ。そこが魅力なんです。

専門番組で取材しましたが、あまりしゃべらないイメージは予想通り。でも、カメラが回ってないところではめっちゃ笑うしすごく優しいんです。それまでは、1人のファンとして見てましたが、近しい存在になってさらに引き込まれました。“ギャップもえ”ですね(笑い)。

親方になってからは、最後まで「左」にこだわっていたように、こだわりの強い力士を育ててほしい。そして、いつかは理事長になって古き良き相撲道の教えを伝え、相撲界を明るくしてほしい。もちろん、私はいつまでも追いかけ続けます。(終わり)

◆山根千佳(やまね・ちか)1995年(平7)12月12日、鳥取県米子市生まれ。12年、ホリプロスカウトキャラバンファイナリストになって芸能界入り。小学時代から熱烈な相撲ファン。小結御嶽海も推し。