再十両2場所目の西十両5枚目の豊ノ島(35=時津風)が、6日ぶりの黒星を喫した。

十両の優勝争いで後続に2差をつけ、1敗で単独トップを走る東十両11枚目の志摩ノ海(29=木瀬)と対戦。送り倒しで敗れ、7日目からの連勝は5でストップ。勝てば志摩ノ海に星の差1つとなるところだったが、敗れて8勝4敗となり優勝争いからは後退した。

再十両の先場所は寄り切りで破った志摩ノ海戦。この日も、激しい差し手争いから右をのぞかせたが、脇を固めて出ようとする相手に対し、体勢を変えようとしたのだろう。右のかいなを外すようにして離れ左へクルリと1回転。だが相手も、これを勝機と逃さず瞬時に反応。背後を取られた豊ノ島は、相手に背中を向けたまま土俵外へ送り出された。

連勝街道は、ひとまず小休止。敗因があるとすれば、気の持ちようにあったのかもしれない。先場所の終盤もそうだったが、優勝争いする相手との対戦で白星を重ね、自分の優勝の可能性を広げていった。この日も、勝てば1差の一番。「ちょっと意識したかな。少し硬くなったのかもしれない」と反省の言葉を並べた。

土俵上の敗因となった、局面を打開する体を回したことには「ここで回ろうと決めていたから、そこは引きずらない。相手のおっつけが厳しかったし(負けは)仕方ない」と悔いは残していない。残り3日の土俵で、16場所ぶりの入幕を確実にするためにも「明日から、また気を引き締めて、これまでと変わらず悔いのないようにノビノビと取りますよ」と全力を尽くす。