大相撲春場所(10日初日、エディオンアリーナ大阪)で大関昇進が懸かる関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)が9日、同所で行われた恒例の土俵祭りに出席した。「気持ちは高まっているけど、さらにいい緊張感を出せるようにしたい。あとは腹を決めるしかない」と、場所を前日に控えた心境を語った。

初日の対戦相手は埼玉栄高の先輩でもある西前頭2枚目妙義龍(32=境川)。平成最後の場所に向けて「(平成最後の)実感はないけど、いい場所で締めくくれるように思えるか思えないかは自分次第」と力を込めた。

土俵祭り後は、貴景勝の周辺にファンが殺到した。会場を出る際は「貴景勝頑張れ」「大関に絶対上がれる」など声を掛けられ、タクシーに乗車する直前まで写真撮影と握手で対応した。兵庫・芦屋出身で大阪は準ご当地ということもあり、人気は別格。「大阪場所は年に1回くらい行っていた。(環境は)整っていると思う」と、思い入れの強い地元が活躍を後押しする。

大関とりの重圧も掛かるが、自身のペースは乱れない。初日に向けて「(夜は)英気を養いたい」と言い、「(体に)残るものは食べないようにする」と体調管理を意識する。

「今までやってきた準備をするだけ。変なところでパフォーマンスを下げないようにしたい」と、地に足をつけるように健闘を誓った。