西十両11枚目の安美錦(40=伊勢ケ浜)が、連勝で2勝4敗とした。低い立ち合いで、下から休まず攻め続けて突き出し。まわしにこだわらず、東十両14枚目の大成道に快勝した。

「(相手が立ち合いで)当たってくるから、それよりも低く当たろうと、踏み込むことだけ考えた。(その後は)突き落としに気を付けようという意識は頭に置いていた。体を寄せていこうとして、サッと前にいけたのがよかった」と、冷静に振り返った。

相手が同じ青森県出身とあって「青森の後輩に負けたくない気持ちがあるんだな、って思った」と、気持ちが高まる要因だと明かした。一方で冷静にさせる出来事もあった。西の花道を通る際、今場所から警備についている元横綱稀勢の里の荒磯親方の姿に気付いた。「ほら、荒、荒…。あらい? あらしお? 本当に(年寄名が)分からないんだ。ようするに元稀勢の里が花道に座っていてね。リラックスしたというか、こうやって土俵に上がることができてうれしいなと。違和感も感じた」と、1月の初場所で引退した荒磯親方を目にして、さまざまな感情がよぎったという。現役で相撲を取ることができることへの感謝、自身よりも8歳も年下ながら、親方として働く荒磯親方の姿は刺激になった。

自身も、いずれは指導者として後進を指導していく立場となる見込みだけに、荒磯親方には「いろいろと教えてもらわないといけない」と話した。一方で関取衆最年長の40歳になっても現役を続ける現状について「一生懸命やろうと決めたので、しっかり頑張る。そういう気持ちで取れれば」と、巻き返しに向けて力強く話していた。