日本相撲協会の芝田山広報部長(56=元横綱大乃国)は1日、新元号が「令和」に決まったと発表されたことを受けて、東京・両国国技館で報道陣の取材に応じた。昭和から平成にかけて、現役時代を過ごした芝田山親方は「相撲協会もまた、新しい元号ととともに未来に向かって、令和の意味をしっかりと心に受け止めて、この時代を皆さんとともに歩んでいきたい」と、感慨深い面持ちで話した。

大相撲は、今年1月の初場所では、平成最後の天覧相撲として、天皇、皇后両陛下が観戦されるなど、皇室や元号とのつながりは少なくない。芝田山部長も「皇室と大相撲は、かかわりがあると思う。元号を大事に歩んでいきたい」と、気持ちを新たにしていた。天覧相撲は、初場所を両陛下が観戦されることが多かったが、退位された後や、現在の皇太子ご夫妻が観戦される場合についても、同部長は「受け入れ態勢は、いつでもできています」と話した。

協会執行部の親方衆は、部屋の朝稽古など、弟子の指導をした後、午後から両国国技館に出勤することが多い。だが芝田山部長は午前10時半に出勤するなど、協会内でも注目度は高かった。

令和となって最初の本場所となる、夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)の前売りは6日から始まるが、そこには「令和」と記載されることはないという。一方で、新番付には「令和元年」と記載される予定。芝田山部長によると、夏場所の新番付は作成途中で「令和元年」と記載される箇所は、前日3月31日まで空欄にした状態だったという。これから、空欄に行司が書き込み、新番付が発表される今月30日に各部屋に配布、一般に販売される。

夏場所では貴景勝が新大関として本場所の土俵に立つ。芝田山部長は「令和の時代に新大関が誕生した。横綱、大関を目指し、貴景勝に続く力士が出てきて、相撲界の隆盛につながることを心から願います」と、今後に期待していた。