大相撲の新大関貴景勝(22=千賀ノ浦)が1日、東京・台東区の部屋で稽古を行い、夏場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けて始動した。四股やすり足の基礎運動に加え、ぶつかり稽古も行った。

2日前の4月30日に、大関として初めて迎えた25日間の春巡業を終え「疲労とも戦っていかないといけない」と、体の回復も憂慮する。「自分の体をもっと知っていかないといけない。一生懸命、自分をつくりあげていく」。06年夏場所の白鵬以来となる新大関での優勝へ、まずは身体の見直しに努める意向を示した。

大関昇進を決めた3月の春場所前、2月上旬の稽古再開時は右足裏を痛めていた影響もあり、基礎運動で体づくりに励む期間が長引いた。けがなどの不安を抱えずに臨んだ春巡業では、番数こそ重ねなかったものの、巡業序盤から四股や付け人を背負ったスクワットなどで下半身を強化。「今場所はある程度、体ができているので焦る必要はない」と、順調な調整ぶりを明かした。相撲を取る稽古は、数日以内に行うという。

この日は新元号「令和」の初日。朝稽古後に向かった、東京・両国国技館で行われた力士会の直後には、貴景勝含む約70人の十両以上の関取で「令和」の人文字をつくった。貴景勝は「そういう機会を現役力士としてやるのはなかなかできない」と感慨深げに話した。