大関陥落から10勝以上での即返り咲きへ、関脇栃ノ心(31=春日野)が5連勝とした。押し相撲の北勝富士相手にしっかり踏み込み、右のど輪に耐え、左上手でまわしをとった。

「左で早くとれた。後は引きつけたらね」。右を差し込み、右四つにして、寄り切った。5日連続でまわしをとる“勝利の方程式”を「久しぶりに続いてるよね。何場所ぶりかな」と喜んだ。

新大関貴景勝が休場したが、直近の新大関での休場ケースは栃ノ心。昨年名古屋場所6日目に右足親指付け根の靱帯(じんたい)を損傷、7日目から休場した。それだけに、貴景勝の気持ちは痛いほどわかる。「もったいないね。ほんと悲しいよね。でも、まだ若いんだからしっかり治してさ」と話した。

現行のかど番制度になった69年名古屋場所以降、過去に17人(20例)が陥落しており、翌場所の最長連勝は貴ノ浪(00年初場所)と栃東(04年名古屋場所)の「4」だった。5連勝した力士は初めてで、返り咲き確率はデータ上100%だ。残り10日でマジック5。そのクリアどころか、昨年初場所以来2度目の賜杯も夢じゃなくなってきた。